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突然“家賃2.5倍”・エレベーター使用停止…「全部屋19万円に」住民怒り約4割が退去 背景に“違法民泊”か?【弁護士ニュース解説】

【 はじめに 】

 こんにちは、介護・不動産弁護士チャンネルの弁護士の清水です。

 今回は、「突然“家賃2.5倍”・エレベーター使用停止…「全部屋19万円に」住民怒り約4割が退去 背景に“違法民泊”か?」というニュースについて解説していきたいと思います!

 最近、オーナー、大家が外国人になったとたん家賃の増額を求め、最終的には退去を求めてくるケースが増えているようです。

 FNNプライムオンラインの記事によれば、

 「都内のマンションが、オーナーが外国人に代わったとたん家賃が2.5倍に跳ね上がることになったそうなんです。

 一体なぜこのような事態になっているのか

 周囲の不動産業者によると、1Kの間取りでは家賃10万円前後がこの辺りの相場とされる中、物件のオーナーに当たるC社は、2025年1月に19万円という新家賃を通告。

 その理由について、「公共料金をはじめとする諸費用の増加のため」と記していました。

 C社の責任者とされる人物の登録住所は「中国」と記載。

 そして、このC社がマンションのオーナーになった時期と同じくして、住民ではないキャリーケースを持った外国人旅行者らしき人々が出入りをするようになったというのです。

 住民から相談を受けた区側は、民泊としての実態があることを把握。

 しかし、民泊業者として必要な届け出がないことも分かったのです。

 中国人の不動産購入に詳しい専門家は、日本でマンションのオーナーになった企業が家賃を値上げさせるなどして住民を退去させ、民泊へと転用を図るケースは大阪市などで目立っているといいます。」

引用:FNNプライムオンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba6fc5f5c6900426edb2dfae408f350212eae868

 このようにオーナーが外国人になったとたん、そのオーナーが民泊事業に物件を使用するため、既存の居住者を出て行かせるために、

 賃料の増額を交渉して、納得しなければ出て行かせるというようなケースが増えているとのことです。

 争点としては主に2点あると思います。

 1点目は「オーナーの賃料増額が認められるか」

 2点目は「賃料増額を拒否した場合、契約解除され出て行かないといけなくなるのか」

【オーナー(大家)の一方的な賃料増額が認められるか】

 1点目は「オーナーの賃料増額が認められるか」

 賃料増額が認められるのは周辺家賃と比べて安い場合であったりすることが必要です。

 もちろん周辺家賃と比べて安いのであれば賃料増額は認められる可能性がありますが、急に2倍以上の賃料の増額は認められず、

 オーナーが一方的に通告して決めることもできません。当事者で合意できないようであれば、調停等の法的手続きにより賃料を決定することになります。

【賃料増額を拒否した場合、契約解除され出て行かないといけなくなるのか】

 2点目は「賃料増額を拒否した場合、契約解除され出て行かないといけなくなるのか」

 先ほども述べたように、オーナーが一方的に通告して賃料増額が決まるわけではありません。

 なので、オーナーが一方的通告による増額された賃料を支払わなかったとしてもただちに契約が解除され出て行かないといけないわけではないです。

【法律相談するならリット】

 今回は突然“家賃2.5倍”・エレベーター使用停止…「全部屋19万円に」住民怒り約4割が退去 背景に“違法民泊”かというニュースについてお話ししました。

 今後も時事問題や介護・不動産にまつわる法律問題を扱っていきますので、もしよろしければぜひチャンネル登録お願いします。

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監修者

■ 弁護士法人リット法律事務所 弁護士清水 勇希(YUKI SHIMIZU)

 2016年11月司法試験予備試験合格(大学4年時、21歳時)、2017年3月立命館大学法学部卒業(首席で修了)。2018年弁護士登録(大阪弁護士会)。
 弁護士法人リット法律事務所代表弁護士。北浜法律事務所勤務を経て、2022年にリット法律事務所を開設。 現在は、不動産法務、スタートアップ法務、介護法務、エンタメ・スポーツ法務等をメインに取り扱うとともに、自身も高齢者等終身サポート事業を行う「株式会社あかり保証」というスタートアップを創業し、上場を目指している。 M-1グランプリ2024年2回戦出場。YouTubeチャンネル「介護・不動産弁護士チャンネル」を運営。株式会社エアトリ社外監査役。

■ 経歴
 1995年1月 京都府宇治市生まれ
 2013年3月 立命館宇治高等学校卒業
 2016年11月 司法試験予備試験合格(大学4年時、21歳時)
 2017年3月 立命館大学法学部卒業(首席で修了)
 2018年12月 司法研修所修了(第71期)、弁護士登録(大阪弁護士会)
 2019年1月 北浜法律事務所入所
 2019年7月 宅地建物取引士登録
 2022年5月 日本プロ野球選手会公認選手代理人 登録
 2022年10月 リット法律事務所開設
 2023年12月 株式会社エアトリ(東証プライム) 社外監査役 就任

■公職・役職
 2021年~ 大阪女学院大学・短期大学非常勤講師
 2022年~ 立命館大学エクステンションセンター 講師(民事訴訟法)
 2022年~ 法律家などを養成する「伊藤塾」の専任講師
 2023年~ 立命館大学エクステンションセンター 法科大学院(ロースクール)講師
 2023年~ 株式会社エアトリ(東証プライム) 社外監査役

■株式会社エアトリの役員プロフィール
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■SNS
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https://twitter.com/yuki2121row

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